ビタミンC発見の話 (2014年4月号)
病気とは、まず病原菌があって発生し、それを排除することで治るもの・・・
それが医療の始まりでした。ビタミンC が発見されたのは19世紀と比較的
最近のことで、それまでは特定の微量栄養素が不足して病気になってしま
うということは長い間分からなかったのです。
 
17世紀ごろ、航海術の発達に伴い、長期間の航海をする船乗りの間に
「 壊血病 」 という病気がしばしば引き起こされていました。
オレンジ  や レモン ジュースを飲むと軽快することから、人々は、
オレンジやレモンになんらかの 「 解毒作用がある 」 と考えられていました。
しかし、レモンジュースを飲んで も 「 壊血病 」 にかかる人もいること、北極に
住むイヌイット族の間には果物 を食べる習慣がなくても 「 壊血病 」 がなかっ
たため、オレンジやレモンの効 果に疑問を抱く人も多かったのです。そのため
「 壊血病 」 は長らく原因不明 の病気として船乗りに恐れられていました。
 
では、ビタミンCはどのようにして発見されたのでしょうか。初めにビタミンCを
発見したのは、ハンガリーの生化学者アルバート・セント・ジェルジ です。
酸に触れると青く変色するベンジジンという溶液は、レモンジュースを垂らす
と変色するのに時間がかかることから彼はレモンジュースには酸化を遅らせ
る効果があると注目していました。それとは別に、顔色が青色になるアジソン
病という病気があり、その原因は副腎の機能が衰えることが原因にあるため
彼は正常な副腎のしぼり汁にも、酸化還元物質が存在するのではと考えまし
た。はたしてベンジジンを入れてみたところ、同じように青色に変化するのに
時間がかかったことから、ウシの副腎から酸化還元物質を抽出しました。
それらを使って 「 壊血病 」 の治療に成功したことから、セント・ジェルジはこ
の抽出物を 「 アスコルビン ( ビタミンC ) 」 と名づけノーベル生理学、医学
賞を受賞しました。1937年、今から77年前のことでした。
 
ところでイヌイットがなぜ 「 壊血病 」 にかからないのでしょうか。彼らの主食
であった海獣の生肉には、ビタミンCが含まれていたなのです。 ( 牛の生レ
バーには100g 中 ビタミンCが18mg 含まれます ) また、レモンジュースを
飲んでいたにもかかわらず 「 壊血病 」 になる人がいたのはなぜかというと、
ビタミンCが熱に弱く、その効果を失っていたからなのです。今ではほ
とんどのレモンジュースに酸化防止剤が添加されています。
 
ビタミンCの存在が明らかになるには様々な偶然と長い時間が必要でした。
ウシの副腎と 「 アジソン病 」 、レモンジュースと 「 壊血病 」 ・・・
一見つながりのない事柄から、考え方を飛躍させることでビタミンCの発見者
となったセント・ジェルシは、こんな名言を残しています。
 
「 発見とは、誰もが目にしたものを見て、
   誰も考えなかったことを考えることである 」
 
ビタミンC発見の裏には、奥深いドラマがあったのですね。
  
 
参考図書 : 「 栄養学を招いた巨人たち 」 ( 杉 晴夫:著 )
        「 人を動かす魔法の言葉 」 ( 斉藤 靖雄:著 )  
 
                                 mikan
                       管理栄養士 / 加藤 静香 (かとう しずか)                                                                                               2014年4月号
                             
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テーマ:健康、美容、ダイエット - ジャンル:ヘルス・ダイエット

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