“ 豆乳
と牛乳
ってどっちがいいの?”
この質問は今までに何度か訪ねられたことがあります。
イメージとして 『 豆乳=ヘルシー 』 という感覚を持っている方も多い気がします。
“ カフェラテ ” を例にすると、某コーヒーショップでは細かにカスタマイズをして、
牛乳を使用する 『 ラテ 』 を、豆乳を使用する 『 ソイラテ 』 、さらに牛乳は牛乳で
も 無脂肪乳を使用する 『 ノンファットラテ 』 などに変えてオーダーすることだって
できます。
なんだか、『 ソイラテ 』 や 『 ノンファットラテ 』 を注文をした方が、ヘルシーな気が
しませんか。本当のところ、豆乳と牛乳の違いって何なのでしょうか?余談ですが、
我が家には1Lパックの豆乳が常備してあります。
豆乳は開封しなければ常温で3か月程度、記載されている賞味( 消費 )
期限に基づいて保管可能です。間近に迫った賞味( 消費 )期限の牛乳より、
常温で保管もできて便利なので、牛乳を使う用途ができると大抵は買い置きの
豆乳で代替をしています。
シリアルにかける牛乳の代わり、ホットケーキ、グラタン、シチューなども豆乳を使
います。使い続けているうちに、あまり違和感なく豆乳が牛乳の役を果たすように
なってきました。豆乳も牛乳も開封後は記載の賞味( 消費 )期限は無効と
なり、すぐ ( 2~3日が目安 ) に飲まなければならない点は同じです。
< 豆乳と牛乳の栄養価について >
豆乳は調整タイプと無調整タイプの2つがあります。
豆を絞った汁そのものが無調整豆乳で、それを飲みやすく加工したものが調整豆
乳です。調整豆乳は砂糖( 甘味料 )、食塩、ビタミン、香料、植物油などが加えら
れています。そのため、調整豆乳は無調整豆乳に比べ、エネルギーが高くなりま
す。牛乳も普通牛乳と脂肪の一部を除いた低脂肪乳、脂肪の大部分を取り除く無
脂肪乳といった様々な種類があります。
< 豆乳と牛乳の栄養成分① 100ml あたり >
| エネルギー (kcal) | たんぱく質 (g) | 脂 肪 (g) | 炭水化物 (g) |
豆乳(調整) | 64 | 3.2 | 3.6 | 4.8 |
豆乳(無調整) | 46 | 3.6 | 2.0 | 3.1 |
普通牛乳 | 67 | 3.3 | 3.8 | 4.8 |
低脂肪乳 | 46 | 3.8 | 1.0 | 5.5 |
豆乳( 調整・無調整 )、牛乳( 普通牛乳・低脂肪乳 ) の4つを比較すると、エネルギーが少ないのは無調整豆乳と低脂肪乳です。 ヘルシーと思われていた豆乳も調整豆乳であれば、普通牛乳とエネルギーに差がほとんどないことが分かります。 |
豆乳も牛乳も栄養がある飲み物だという認識の方は多いと思います。
どちらも体をつくるたんぱく質が豊富です。しかし豆乳と牛乳に含まれる栄養素
には違いがあるので、摂りたい栄養素、体の悩みに合わせて選択ができると良
いですね。
調整豆乳( 以下:豆乳 ) と普通牛乳( 以下:牛乳 ) で比較をしていきましょう。
◆ダイエットに向いているのは?
豆乳と牛乳のエネルギー量に差はほとんどありません。しかしダイエットには
欠かせない、代謝をスムーズにするビタミンの含有量には少し差があります。
炭水化物の代謝にはビタミンB1、脂質の代謝にはビタミンB2が必要です。
<豆乳>・・・ビタミンB1 0.07mg / ビタミンB2 0.02mg
<牛乳>・・・ビタミンB1 0.04mg / ビタミンB2 0.15mg ※100mlあたり
ビタミンB1は豆乳に豊富ですが、ビタミンB2は牛乳の方が多く含まれます。
一概にどちらが良いというのは言えなさそうです。
ダイエット時の食品選択において、もう1つ着目しておきたいのが、血糖値の
上がりやすさを示す 『 GI値 (グリセミックインデックス)』 です。
この数値が大きいものはダイエットに不向きであるとのことですが、豆乳が23、
牛乳が25です。
目安の60より大幅に少なく、この数値だけをみると、どちらも低値でダイ
エット向き飲料と言えそうです。
ちなみに糖分の多い100%オレンジジュースは42、コーラは43です。
実は、100%オレンジジュース、コーラ、豆乳、牛乳に含まれるエネルギーは
ほぼ等しいのですが、このようにGI値に差が出るのは、その食品を構成する
栄養素の割合によって左右されるからなのです。
ジュースなど清涼飲料水はほぼ糖分のみで構成されているのに対し、豆乳と牛
乳にはたんぱく質や脂質も含まれます。バランスのとれた飲料といえるのです。
ダイエットと言えばエネルギーを気にする方も多いと思いますが、また違う視点
で比較をすると新たな発見がありますね。
◆コレステロールを下げるには?
大豆に含まれるたんぱく質にはコレステロールを下げる働きがあると言われてい
ます。また、動物性脂肪は控え目にした方が良いため、動物性食品の牛乳より
植物性食品の豆乳の方が向いています。
◆カルシウムを補給するなら?
牛乳はカルシウムを補給しやすい食品では上位に位置します。カルシウム含有量
を比較すると、コップ1杯( 200ml )あたり牛乳は220㎎、豆乳は62㎎のカルシウム
を含みます。牛乳は豆乳の3倍のカルシウムを含み、コップ1杯で1日に必要なカ
ルシウムの約1/3が摂取できます。
◆鉄分を補給するなら?
豆乳には牛乳の10倍近い鉄分が含まれています。貧血気味の方は牛乳より豆
乳を飲む習慣をつけるのがおすすめです。豆乳コップ1杯には鉄2.4㎎が含まれて
います。
◆アンチエイジングに効果があるのは?
豆乳には大豆イソフラボンが豊富に含まれています。この大豆イソフラボンは体内
で分泌されるエストロゲン( 皮膚のハリ・ツヤなど女性の美と健康を保つのに必要 )
というホルモンに似た働きをします。
エストロゲンは20代後半から少しずつ減少し始め、更年期を境に急激に減少しま
す。 豆乳を毎日コップに1杯飲むだけでも大豆イソフラボンは十分に摂取ができる
と言われています。さらに豆乳には抗酸化作用のあるビタミンEも豊富に含まれて
います。
◆胃腸が弱い人には? 豆乳にはお腹がゴロゴロする原因となる乳糖が含まれていません。また、消化 ・
吸収も良いため、豆乳の方が向いているといえます。
豆乳、牛乳もどちらも良質たんぱく質を豊富に含む優れた食品です。
自分の体のコンディションに合わせた選択をし、調子を整えられると良いですね。
< 豆乳プリン >
先日、いつきクリニック一宮では外来患者様、地域の方々を対象にウォーキング教
室を開催いたしました。
正しいウォーキング方法、運動の意義のお話しとともに30分程度のウォーキングを
行い、その後厨房自慢のデザートをお召し上がりいただきました。
牛乳の約半分を豆乳に置き換えた豆乳プリンは男性にも女性にも大好評でした。
そんな豆乳プリン
のレシピをご紹介します。
< 材 料 >※作りやすい分量:約10人前
(1)豆乳・・・100cc (2)牛乳・・・250cc (3) 卵 ・・・4個(Mサイズ) (4)グラニュー糖・・・100g (5)生クリーム・・・150cc (6)バニラエッセンス・・・少々 |  |
参考「 日本豆乳協会 」