祖父から与えてもらったもの (2012年10月号)

今年の5月上旬、毎日ドキドキ、ヒヤヒヤしながら過ごしていました。
なぜなら、管理栄養士の合格発表  が迫っていたからです。
 
そもそも、私が栄養士を目指すきっかけになったのは、
祖父が糖尿病を患っていたことです。
栄養士さんに初めて会ったのが、祖父の栄養指導の時でした。
 

その時の私は、 糖尿病 」 という病気についての知識はあまり無く、
その際に教えて頂いたことは、
「 そのままにしておいてはいけない病気だ 」 ということでした。

   

「 糖尿病 ・ ・ ・ ? 言葉は知ってるけど、どんな病気か知らない。」
という方も多いのではないでしょうか。
  

40代以上の方の3人に1人が糖尿病、糖尿病予備軍といわれる時代です。

そんな糖尿病について、一緒に勉強しましょう。

 

まず、「 糖尿病 」 とは、どんな病気なのでしょうか?

糖尿病とは、血液の中に糖分が溢れている状態、
つまり、高血糖状態が続く病気です。

初期症状としては、口が渇く、多飲、多尿、体重減少 などがあります。

  
しかし、糖尿病で怖いのは、合併症です。
糖尿病と診断されても、自覚症状が無いため、治療を受けない方が多く、
知らぬ間に合併症は進行してしまうのです。

 
 
◆糖尿病の三大合併症◆

 
① 糖尿病性神経障害
     症状としては、手足のしびれ、疼痛、異常感覚などがあります。
     足先など怪我をしても痛みに気付かず悪化し、壊疽(えそ)になってしまう
     危険性があります
 
②  糖尿病性網膜症
   目の奥にある網膜に血液が流れにくくなることが原因で、視力が落ちてきます。
   無症状のことが多く、進行すると失明に至ることもあります。
 
③ 糖尿病性腎症
   腎臓の機能が悪くなってくると、頭痛、むくみ、嘔気などの症状が出ます。
   近年では、透析療法を始める原因の第一位となっています。
 
どれも血糖コントロールをしっかりすることで防ぐことが出来ます。

糖尿病は合併症にならないためにも、きちんとした治療が必要となる病気なのです。 
 
 
では、「 糖尿病 」 の治療とは、どのようなものがあるのでしょうか?

治療法には、食事療法 ・ 運動療法 ・ 薬物療法 があります。
 
この中で最も重要となってくるのが、食事療法 です。
ポイントは、「 過食や偏食をせず、規則正しく食べること 」 です。


◆ 糖尿病の食事療法 ◆
 
① 適正なエネルギー量を知る

  一日に必要なエネルギーは、性別、年齢、慎重、活動量などによって、
  一人一人異なるため、自分の適性なエネルギー量を知る必要があります。  
  そのためには、まず標準体重を知る必要があります。
 
 ◎ 標準体重(Kg)= 身長(m)× 身長 × 22

  上記から求めた標準体重から、適正エネルギー量を知る必要があります。
  適正エネルギーはその標準体重を維持するのに必要なエネルギーと言えます。

 
◎ 標準エネルギー (kcal) = 標準体重(Kg)× 25~30kcal/kg

 例 )170cm 男性 

    標準体重(㎏)= 1.7m)× 1.7m)× 22 63.6(㎏)

    適正エネルギー(kcal)= 63.6(㎏)× 25~30kcal/kg 
                                       = 1,590~1,908 (kcal)
                  ≒ 1,600~1,900 (kcal)

                  (≒ 約1,800kcal )

 

 適正エネルギーを守り、標準体重を維持することが、健康に繋がります。


② 食事の摂り方に気をつける。
  ※①で求めた適正エネルギー量を守ることが原則です。
   
  ◆バランスの良い食事を心掛けましょう。
  主食(ごはん、パンなど)・主菜(肉、魚料理など)・副菜(サラダ、和え物など)が
  毎食あると理想的です。

   外食の際は特に、偏りが生じやすくなってしまいます。定食を選んだり、
   サラダや煮物など一品追加するなどして、バランスの良い食事にしましょう。 
   
  ◆栄養は様々な食材から摂りましょう。
  基本的に食べていけないものはありません。しかし特定の食品ばかり食べている
  と栄養が偏ってしまいます。様々な種類の食品を適量食べましょう。
  
  ◆脂肪の多い食品、油を使った料理は控えましょう。
  肉類、種実類の脂肪分、サラダ油などの油は、少量でも高カロリーです。
  控えることで、エネルギー摂取量を減らすことができます。
  
  ◆野菜類、きのこ類、海藻類を食べましょう。
  これらの食材は、エネルギーが低くビタミンやミネラルも豊富に含まれています。
  また、食物繊維は血糖の上昇を抑える効果やコレステロールの排泄を助ける
  効果があり、食事の最初に食べることをオススメします。
  
  ◆嗜好品は控えましょう。
  お菓子、アルコールなどの嗜好品は栄養が少ないわりに、エネルギーが高く、
  エネルギーの過剰になってしまいます。
  さらにお腹が膨らんでしまい、食事をきちんと摂れなくなることにも繋がります。
  
  ◆味は薄味にしましょう。
  塩分の摂り過ぎは、高血圧の原因になります。「 普段より少し薄いかな 」 と
   感じられるくらいで十分減塩の効果があります。


③ 規則正しい食事。
     
  ◆1日3食、きちんと食べましょう。

  減量しようとすると、1食抜く方もみえると思いますが、それは逆効果!
  食べないことで体は餓死状態と判断し、エネルギーを蓄えようとしてしまいます。
  
  ◆ゆっくりよく噛み、腹八分目にしましょう。
  お腹いっぱいになった、と感じる満腹中枢が働くのは、食事をしてから時間がか
  かりますゆっくりよく噛むことで満足感が増し、さらに、腹八分目で満腹中枢が
  働き、食べ過ぎを防ぎます。
  


これらの食事療法は、家族の方も同じメニューを食べることができ、その結果、家族
みんなの肥満を防ぎ、生活習慣病の予防にも繋がります。
全てを一度に取り入れることが難しくても、少しずつ取り入れていけるといいですね。

家族みんなで、一緒に健康になりましょう!

    

私の祖父も、食事に気を付けるようになり、時間はかかりましたが、糖尿病のデータ
も少しずつ落ち着いてきました。糖尿病の合併症もなく、元気に過ごしています。

元気過ぎて、食欲旺盛な祖父は、母と私から 「 食べ過ぎ 」 と注意されることも(笑)

それでも、孫として、管理栄養士として、祖父にはまだまだ元気でいてほしいので、
これからも祖父の食事には気を付けていきたいと思います。

  

祖父に与えてもらったものは、管理栄養士になるという夢だけでなく、祖父のように
元気に過ごしてもらえるよう手助けをしたい、という気持ちも与えてくれました。
また、無事に管理栄養士の試験に合格し、免許証を手にした時、より一層、誇りと
責任を感じました。

 
その気持ちを力に変え、患者様一人一人に合わせた健康へのサポートが出来る
管理栄養士として成長していきたいと思います。 
 
 
参考文献 : 「 臨床栄養管理学論 」 講談社
        「 糖尿病のホームページへようこそ 」 厚生労働省

  
                                  marason
 
                                              管理栄養士/山内 茜 (やまうち あかね)
                           2012年10月号
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