これで万全!梅雨時期に多い食中毒予防 (2012年6月号)

友人宅に遊びに行った時の出来事です。

お昼が近くなり、自宅にある材料で何か作ることになりました。

冷蔵庫と戸棚を見ると カレーライス と サラダ が作れそうでした。

カレーライスは鶏肉、玉ねぎ、人参、じゃが芋。
サラダはキャベツ、卵 ( 茹でてトッピング用に )、
マヨネーズで作ることにし、早速作り始めました。

  

友人は玉ねぎ、人参、じゃが芋、鶏肉の順番に材料を切っていきました。

それらを炒め、煮込み始めた時に、冷蔵庫から卵を取り出し、
その手で、サラダ用のキャベツを切り始めました。
まな板と包丁は鶏肉を切った後だったので、軽く洗ってから使っていました。

  

この光景・・・思い浮かべてみて下さい。

何か思うことはありますか?
それとも、何とも思わないでしょうか?

  

「 野菜、肉、魚は包丁とまな板をそれぞれ専用のものを用意しなさい。」

「 卵を触ったらすぐによく手を洗いなさい。」
 

この言葉は大学の調理実習の時に何度も先生から言われていた言葉です。

食品を衛生的に処理する上でこれらのことは基本 として叩き込まれました。

  

肉を切ってから同じ器具で野菜を切る行為、
卵を触ってから他の食材に触れるこの行為は
どうしていけないのかご存知でしょうか?

  

特にこれから高温多湿の梅雨、夏の間は食中毒が発生しやすい
という認識を持っている方は多いと思います。
予防意識を持つとともに、以下のコラムを読んで食中毒を起こしやすい行動を
とっていないか振り返って頂けたらと思います。

  
 

■ 食中毒の発生原因は大きく分けて3つあります。 

 
【1】 殺菌性食中毒
   → 食中毒菌が食品の中に混入して起こる。
 
【2】 ウィルス性食中毒 
     → ウィルスが蓄積している食品の飲食・人の手を介して起こる。 
 
【3】 自然毒食中毒
   → フグや毒キノコなどの動物性・植物性の毒によって起こる。
 

食中毒は「 栄養分 」 「 水分 」 「 温度 」 の3つの要素が関係して起こります。

食品の残菜、有機物汚れ、調理器具に付いた食品汚れは細菌の栄養になり、
また、水分の少ない食品では増殖することができません。
乾物が日持ちするのもこの細菌の発生を抑えることができるからなのです。
 

一言で細菌性食中毒と言っても、細菌の種類は様々で、
2010年に患者数が多かった原因菌は、
上位3つはサルモネラ属菌、カンピロバクタ―、ウェルシュ菌です。

 
聞き馴染みのない細菌もありますね・・・。
   

◆ サルモネラ属菌の特徴 ◆

牛、鶏、ペットが菌などあらゆる動物が持っている菌です。
鶏卵、鶏卵加工品 ( 卵焼き、自家製マヨネーズ、ケーキなど )、レバ刺し、
これらを加工する時に使用した調理器具や手指から感染することがあると
言われています。

    
◆ カンピロバクタ― ◆

鶏、豚、牛や犬・猫などのペット類、鳩などの腸管内に存在している菌で、
少ない菌量で人に感染します。生または加熱不十分な鶏肉料理、牛レバー
の生食、これらを加工する時に使用した調理機器や手指から感染すること
があると言われています。

    
◆ ウェルシュ菌 ◆

人や動物の腸管、土壌、水中など自然界に広く分布しており、健康な人の
便からも検出されます。この細菌は高温に強く、加熱しても生き残ることが
あります。
別名 『 給食病 』 と言われるほど、集団給食施設による事例が
多く、カレー、シチュー、スープ、麺つゆなどのように、食べる日の前日に大
量に加熱調理され、大きな器のまま室温で放冷されていた食品から感染す
るケースが多いそうです。
 

これらの特徴をみると、細菌性食中毒を引き起こす菌たちは私達の身近に存在し
ていることが分かります。
  
食中毒細菌から身を守るために、食品の購入から口に入るまでの工程でい
ろいろな感染予防策をとることができます。

    

【1】 食品を購入する時に ・ ・ ・
       → 肉・魚・野菜は新鮮な物を購入しましょう。( 必ず消費期限をチェックする )
       → トレイの肉・魚を購入し、持ち帰る時は水分がもれないよう、ビニール袋に
     分けて包む。
   → 生鮮食品など温度管理が必要な食品の購入はできるだけ買い物の最後
     にし、早めに持ち帰る。
 

【2】 家庭で保存する時に ・ ・ ・

   → 購入後、すぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れる。

   → トレイの肉・魚はビニール袋などで包んだままにし、他の食品に肉汁などが

       かからないようにする。

   → 肉・魚・卵を扱う時は扱う前と後に必ず手を洗う。

 

【3】 下準備をする時に ・ ・ ・

   → 食材を扱う時は扱う前と後に必ず手を洗う。

   → 生の肉や魚を切った後に生で食べるサラダや果物を切らない。
          ( 肉用・魚用・野菜用と
用途ごとに包丁やまな板を用意するのが望ましいで
            すが、難しい場合は熱湯をかける
だけでも効果がある。)

   → 冷凍してあるものは解凍したらすぐに使用し、再度冷凍しない。

   → 包丁、食器、まな板、ふきん、たわし、スポンジなどは使った後すぐに、

    洗剤と流水でよく洗い、定期的に熱湯をかけて消毒したり漂白剤につける。

 

【4】 調理する時に ・ ・ ・

      → 手を洗う。

      → 加熱する食品は十分に加熱する

      → 料理を作ってから食べるまでに2~3時間以上おく場合は、室温に放置せず

       冷蔵庫に入れ、食べる前に十分に加熱する。

 

【5】 食事をする時に ・ ・ ・

      → 手を洗う。

      → 温かい料理は熱いうちに ( 65度以上 )、
          冷たい料理は冷たいうちに ( 10度以下 )
食卓に並べる。

      → 室温に長く放置しないようにする。

    ( 室温で15~20分置き、2倍に増える食中毒菌もいる )

  

【6】  残った食品の保存をする時に ・ ・ ・

      → 手を洗う。

      → きれいな器具、皿を使って保存する。

      → 残った食品は早く冷えるよう、浅い容器に小分けして保存する。

      → 時間が経ち過ぎていたり、不安な場合は思い切って捨てる。

   

冒頭の調理の下ごしらえの手順としては、
鶏肉を切った後に生食のキャベツを切るのは好ましくありません。
まな板と包丁をしっかり洗剤で洗い、熱湯消毒をするか、鶏肉の前にキャベツを切っ
ておくのが良いでしょう。また、卵を触った後は石鹸で手を洗う必要もありましたね。

  

皆さんの生活の中で、
取り入れられそうな予防策があれば、
是非実行してみて下さい。

  

抗菌作用の食品を摂ることも食中毒予防になります。

〔 酢 〕、〔 梅干し 〕、〔 わさび 〕、〔 辛子 〕、〔 生姜 〕、〔 にんにく 〕、〔 しそ 〕、
〔 パセリ 〕、〔 竹の皮 〕
などは殺菌もしくは解毒作用を持っています。
 
刺身に添えられているわさびやガリ、お弁当に梅干しを入れるのは、食中毒予防に
効果のある組み合わせです。他にもお弁当の食中毒予防グッズとしては、わさびや
辛子などの成分の入ったシートやカップなども売られています。

  

また、細菌に勝つ体をつくるには、腸内環境を整えて免疫力をつけておくこと
も重要です。
発酵食品 ( ヨーグルト、味噌、納豆、キムチなど ) を1日1品を目安
に取り入れましょう。

   

細菌は目にはみえませんが、
日頃からこれらの予防を心掛け、食中毒を予防しましょう!

参考文書 : 厚生労働省 「 食中毒統計 」

                 厚生労働省 「 家庭でできる食中毒予防6つのポイント 」
                                                                          manaita 

                                                   管理栄養士/高田 康代 (たかだ やすよ)
                             2012年6月号
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