透析を受けている方からよく聞くのは、
「 黒酢を飲んでもよいか 」
「 コンドロイチンは飲んでもよいか 」
「 この野菜ジュースはどれくらい飲めるか 」
という事です。
そのたびに製造元に問い合わせ、
リンやカリウムなどの成分量を調べ、よければ利用していただきます。
中には
「 カリウム量は調べていないのでわからない 」
と回答される場合もあります。
現在食品中のカリウムやリンの明記は義務付けられていないためでしょうが、
特に 「 青汁 」 などは
腎不全患者様への注意表記が必要ではないかと感じます。
コンビニやスーパーなどでビタミン剤が売られるようになり、
ビタミンについての質問もよく聞くようになりました。
ビタミンは、体の調子を整える必須の物質です。
体内では作られないため、食事などから摂取しなければなりません。
透析を受けている患者様では、水溶性ビタミンであるビタミンB6、
葉酸は食事制限により摂取量がもともと少ない傾向にあり、
加えて透析療法により除去されるため、
ビタミン剤の形で補給するのがよいといわれています。
しかし、脂溶性ビタミンであるβカロテンは腎不全では分解されにくく、
反対に摂取過剰となって中毒症状を起こす場合もあります。
そのため、水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンが混在している
一般的な総合ビタミン剤を透析患者さんが利用するのはお薦めできません。
最近では腎不全患者さん用に配合された
マルチビタミンが販売されるようになりました。
例えば、葉酸などは健常人の推奨量は0.24.~0.4mg/日なので、
市販のビタミン剤では1日分として0.4mg程度が配合されていますが、
腎不全用のビタミン剤では1日分として1mg程度配合されたものもあります。
( 健常者でも1日5mgまでは健康障害の発生はないとされています。 )
水分制限やカリウム・リンコントロールが必要な透析療法ですが、
多くのビタミン剤・健康食品の情報が溢れているのに、
腎不全患者様に対する情報が少ないのはとても残念です。
こういった中で腎不全用のマルチビタミンが発売されたことは
とても画期的だと思います。
これからも患者さんが自分の症状や病気に合わせてビタミンや
健康食品の情報を気軽に得られる社会になって欲しいと思います。
参考文献:日本人の食事摂取基準(2010年版)
管理栄養士/加藤 静香 (かとう しずか)
2009年7月号
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