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誤嚥性肺炎
19世紀の医者ウイリアム・オスラー先生が残した言葉に、「肺炎は老人の友である」とあります。それは今日まで影響を与え、今では肺炎を治療しない選択肢も出てきています。
私も、年を取ったら肺炎と良い関係になりたいです。

先日、言語聴覚学会に参加させて頂いたときに「喉を鍛えても肺炎は減りません」という面白い講演がありましたので、少しご紹介したいと思います。



肺炎でなくなっている人の平均年齢ご存知ですか?
89.6歳です。80歳以上の方が多いようです。

 肺炎の中でも誤嚥性肺炎でなくなられている方は7割以上と多いです。
 原因疾患としては、脳卒中があげられます。
疾患以外にも原因があり、その一つとして、人体の構造による原因があります。人間は加齢により喉仏が重力にしたがい、2cmくらい下がります。喉仏が下がると、口の中に入ってきた食べ物に対して反応・反射が遅くなり、さらさらした液体などを誤嚥しやすくなります。

私も先日お茶を飲む時に反応・反射が遅れてしまい、お茶が口から噴き出ると共に盛大にむせてしまいました。不幸中の幸い、自宅でしたので誰にも見られることはありませんでした。20歳~60歳の年齢でも日常的に起こることが、加齢によりさらに起きやすくなるという事です。


誤嚥性肺炎は、胃液・唾液・食事などの誤嚥で起こると思っている方もいると思いますが、胃液・唾液・食事などの誤嚥だけでは起こりません。
「肺炎は細菌に感染して炎症を起こす病気です。」
なので、誤嚥性肺炎を含めた肺炎の原因としては肺炎球菌が多く、次いでインフルエンザなどが多いです。

しかし、誤嚥は肺炎の重要なリスク因子です。
誤嚥が肺炎の原因となる主な理由として、【何度も起こす誤嚥】と【夜間の不顕性誤嚥】などがあるので、その2つについてみていきたいと思います。


【何度も起こす誤嚥について】
気道の表面が壊れやすくなります。気道の表面は水分と油分で保護されています。何度も誤嚥すると、気道の表面から水分と油分がなくなり、炎症が起きやすい状態になってしまいます。

【夜間の不顕性誤嚥について】
口腔ケアが不十分で、口腔内の細菌が唾液の不顕性誤嚥によって肺に入る事で肺炎が起きます。

※不顕性誤嚥とは・・・通常は誤嚥した時はむせ込みますが、不顕性誤嚥は誤嚥しても、むせ込まず気づかないうちに気道に入ってしまうことです。


【予防・対策について】
・不顕性誤嚥の予防
寝る時に頭を少し高くする(夜間の不顕性誤嚥予防)・睡眠剤の減少・便秘改善・発声や会話・食事をしっかりとる
・誤嚥しても肺炎を起こさないように
歯磨きなどの口腔ケア(口腔内細菌叢の改善)・運動などをして肺を元気にする・体力維持・脱水予防・栄養をしっかりとる・インフルエンザなどの予防接種


発声で使う筋肉と食べ物を飲み込む時に使う筋肉は9割くらい重なっているので、会話をしてのどを鍛えるのは予防に良いですが、誤嚥の予防に加えて、【肺炎の予防】も必要です。

誤嚥だけなら怖くありません。(誤嚥したらむせ込んで辛いですが、、、)一番は、誤嚥を肺炎にしないことが大切です。


メディカルいつき 管理栄養士 
松村知哉
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