お酒とのつきあい方
早いもので、今年も残すところ1カ月をきりました。これからの時期、忘年会などでお酒を飲む機会が増える方も多いのではないでしょうか。
お酒は、適量であれば気分が良くなりリラックス効果が期待できる他、心筋梗塞や冠動脈疾患が起こりにくいなどのメリットがあります。しかし、これはあくまでも【適量】だからこそ得られるメリットです。
本格的な宴会シーズンを迎える前に、お酒についておさらいしてみましょう。

●【酔う】ってどういうこと?
 お酒を飲むと酔います。これは、お酒に含まれているアルコールが血液中に溶け込み、脳を麻痺させる事で起こります。どのくらい酔っているかの程度は、脳内のアルコール濃度で決まります。しかし、脳内のアルコール濃度を測ることはできない為、実際には血液中のアルコール濃度を測ります。

【酔い】のポイント!
・お酒を楽しく健康的に飲めるのは、アルコール血中濃度0.1%(ほろ酔い)程度まで。
 ・酔いの程度は個人差がある為、自分自身の酔いの程度を把握できるようにしておくことも大切。


●お酒と病気
 お酒を飲みすぎると、二日酔いで気分が悪くなってしまうといったすぐにわかる症状もある一方で、習慣的に大量飲酒をしていると生活習慣病となる可能性もあります。
アルコールの処理をしている肝臓の機能障害はもちろんのこと、エネルギー過多により、糖尿病や動脈硬化症、さらには心臓疾患や脳血管障害などを引き起こす可能性が危惧されます。
その他、がん(特に咽頭がん、口腔がん、食道がん、大腸がん、乳がん)と大量飲酒には強い因果関係が指摘されています。


【お酒と病気】のポイント!
 ・日頃の飲酒量を適量に保つ。
 ・休肝日を設ける。
 ・定期的に健康診断を受ける。



●おつまみ
お酒を飲むときはおつまみを食べながら飲むことをおすすめします。空腹のときにお酒を飲むと、アルコールの吸収がはやく、酔いがまわるのも早くなってしまいます。おつまみを食べながらお酒を飲むことで、アルコールの吸収を抑えるだけでなく、胃の中の食べ物がアルコールによる胃粘膜への刺激を緩和してくれます。しかし、食べるおつまみの内容によっては、栄養に偏りが出来てしまうため、注意が必要です。

【おつまみ】のポイント!
 ・食べながら飲むことで、食物が胃粘膜を守りアルコールの吸収も抑える事ができる。
 ・脂肪分を含むチーズや牛乳を飲酒前に食べたり飲んだりしておくと、アルコールによる刺激で胃粘膜が傷つくのを防ぐことができる。
・アルコールの代謝によって身体からミネラルやビタミンが大量に消費されるため、
  ミネラル・ビタミンを多く含む野菜類を積極的に摂ると良い。 
(例)お浸し、酢の物、サラダ など 
 ・肝臓でアルコールを代謝するためにはたんぱく質が必要となる為、肉や魚などのたんぱく質を多く含む食品も一緒に食べると良い。 
(例)焼き鳥や刺身、豆腐 など ※揚げ物は高エネルギーの為注意!
・つまみには塩分が多く使われているため、塩分量にも注意する。

●適量のお酒を飲むメリット
 適量の飲酒によるメリットには以下の様な事が挙げられます。
①全身の血行促進
②脳梗塞の発症を抑える
③善玉コレステロールの増加
④食欲の増進文字色
⑤ストレス解消、リラックス効果
⑥コミュニケーションの円滑化
⑦寝つきを良くする


 そして、『適量のお酒は身体に良い』ことを示すのが『飲酒と死亡率のJカーブ効果』という疫学調査結果です。

<飲酒と死亡率のJカーブ効果>
Jカーブ効果とは、まったく飲酒をしない人を1とした場合の飲酒量ごとの相対的な死亡率をグラフにしたものです。全死亡率と一日の飲酒量をグラフにするとJ型のカーブになります。

 飲酒

全死亡率:病気だけでなく、事故・事件を
含めたあらゆる原因による死亡率
     

ただし、これはその人の年齢、健康状態、アルコールに対する耐性などによっても異なる為、お酒を飲めば必ず死亡率が下がるというわけではありません。
各々に合った飲酒の仕方を心がけましょう。

お酒の【適量】はこれくらい!
厚生労働省が推進する国民健康づくり運動『健康日本21』によると、『節度ある適度な飲酒量』は、一日平均純アルコールで約20g程度であるとされています。しかし、一般に女性は男性に比べてアルコール分解速度が遅く、体重あたり同じ量だけ飲酒したとしても、女性は臓器障害を起こしやすいため、女性は男性の1/2~2/3程度が適当と考えられています。

・純アルコール20gに相当する酒量
  ビール(アルコール度数5度)……………………ロング缶1本(500ml)
  日本酒(アルコール度数15度)…………………1合(180ml)
  焼酎(アルコール度数25度)……………………0.6合(110ml)
  ウイスキー(アルコール度数43度)……………ダブル1杯(60ml)
  ワイン(アルコール度数14度)…………………1/4本(180ml)
  缶チューハイ(アルコール度数5度)……………1.5缶(520ml)

この適量も、その人の年齢や健康状態、アルコールに対する耐性などによって異なります。あくまでも目安として参考にしてください。

アルコール健康医学協会では、お酒の飲み方についての10か条を掲げています。

適正飲酒の10か条】
①談笑し 楽しく飲むのが基本です
②食べながら 適量範囲でゆっくりと
③強い酒 薄めて飲むのがおススメです
④つくろうよ 週に二日は休肝日
⑤やめようよ きりなく長い 飲み続け
⑥許さない 他人への無理強い・イッキ飲み
⑦アルコール 薬と一緒は危険です
⑧飲まないで 妊娠中と授乳期は
⑨飲酒後の運動・入浴 要注意
⑩肝臓など 定期検査を忘れずに

 この10か条を頭において、お酒と良い付き合い方ができるようにしたいですね。
皆様が良い年を迎えられますことを、心よりお祈りいたします。

〇参考
・アルコール健康医学協会HP   http://www.arukenkyo.or.jp/

いつきクリニック一宮
管理栄養士 織田愛子

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