夏の水分補給に注意!
暑い夏がやってきました。暑くなると多くなるのが水分の摂取です。熱中症予防のための水分補給は重要ですが、その水分補給にも注意が必要なのはご存知ですか?

大量に発汗すると、人は自然に失った水分を補給しようと水分を摂取します。しかし発汗時には、水分と共にナトリウム、マグネシウムカリウム、カルシウムなどの塩類も一緒に失われます。特に激しい運動の後などは、その傾向が強くなります。その塩類を摂取しないまま、水分のみを大量に摂取し続けると、体内の水分バランスが崩れてしまい、ナトリウムイオン濃度が低くなります。これを「低ナトリウム血症」と言います。

体内のナトリウムは、人体の組織内外の体液や、細胞の浸透圧を一定に保つ他、筋肉や神経の働きを調整する役目をしています。このため体内の水分が数%でも増えてしまうと、過剰な水分を処理するために腎臓に負担がかかってしまい、体内の老廃物を処理しきれなくなるため、倦怠感や頭痛、吐き気などの症状を引き起こします。またさらに症状が進むと、最悪の場合意識障害や昏睡となり死に至る場合があります。これを「水中毒」と言います。

水を飲む少年


「水分を取って中毒?」と思われがちですが、マラソン大会や水のがぶ飲み大会などで、実際に死亡事故例も報告されている恐ろしい中毒です。近年マラソンなどのスポーツ大会などでは、水分だけの過剰摂取に注意喚起もされています。

と、言っても普段の生活の中で水中毒を引き起こすことはあまりありません。水中毒を起こしてしまうかも・・・と水分摂取を控えてしまい、脱水症状を引き起こしてしまっては意味がありません。喉が渇いたからと、一気に大量の水分を摂取したり、激しい運動の後に水分のみを摂取し続けたりなど「短期間に・大量の・水分だけを摂取」ということをしないように注意すれば「水中毒」になることは避けることは出来ます。

水分の補給の際には、一度に大量に摂取するのではなく、コップ一杯程度の水を噛むようにゆっくりと飲むこと、そして適度な塩分を摂取することを忘れないようにしてください。また、一緒に糖分を摂ることで塩分の吸収を早めることが出来ます。

熱中症予防のために必要な塩分と糖分は、塩分が水分に対して0.1%~0.2%、糖分は5%以下が適していると言われています。これらを満たした飲料として、近年、経口補水液が注目されていますが、まだまだ一本当たりの価格が高く、手軽に手に取ることが出来ません。また、スポーツ飲料は手頃な価格で手に入りやすいのですが、市販のスポーツ飲料は塩分が少なく、糖分が多い傾向にあります。そのため、そのまま飲むのではなく、500mlのスポーツ飲料を水や氷で2倍に薄めてから一つまみの塩を加えると、ちょうどよいバランスとなります。

「熱中症」そして「水中毒」になるのを防ぐために、適度な水分と、塩分そして糖分の摂取を忘れずに、この夏を乗り切りましょう。





水

                       管理栄養士/山本志帆子 (やまもとしほこ)
                           2016年7月号
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